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正視、近視、遠視 の常識・非常識
遠視に比べ、圧倒的に近視が多いのは何故?
遠視って見えすぎる眼?
近視は、或いは遠視は何が問題なの?
日本人はメガネを掛けている人が多い、と言われますが、確かに多いですね。
私の実感では、少なくとも1/3はメガネを掛けているように思いますが、皆さんどう思いますか。
(先日のTVを見ていたら、統計として50l以上の人がメガネを掛けているそうです。それほどには感じませんが、メガネ、コンタクト、或いは実際には掛けていないが本来必要な人、を含めるとその位いるのかも知れません)。
そして その大半は近視のメガネを掛けた人ですね。
後述しますが近視と遠視は、要するに網膜の前にピントが合うか後ろに合うかの違いで、本来同じ割合で出現しても不思議はないと思うのですが、
実際、遠視のメガネを掛けている人は稀だし、自分が遠視だと自覚している人も稀です。
それは何故か?
その辺 の切り口で考えてゆくと、眼についての常識・非常識が意外と分かる。
………かも知れない。
■正視、近視、遠視
…と言うことで、最初に正視、近視、遠視についての簡単な定義から(乱視については項を改めて詳述します)。
正視、近視、遠視の違いを一言で言えば「平行光線が、調節無しで、網膜に対してどの位置に焦点を結ぶか」と言うことです。
※ 調節についてはこれから嫌というほど取り上げます。
と言うのも、この雑文で掲載している「眼の誤解・非常識」の殆どが「調節」に起因するものだからです。

- 正視
調節無しで、網膜上に焦点を結ぶ眼です。
- 近視
網膜の手前に焦点を結ぶ眼、一言で言って「屈折が強すぎる目」です。
- 遠視
調節無しで、網膜の後方に焦点を結ぶ眼、一言で言って「屈折が弱すぎる目」です。
■ 屈折異常の原因
■ 網膜からのギャップ、バラツキ
正視以外の近視、遠視、そして乱視を「屈折異状」と言います。
しかし上記説明で分かるように、近視も遠視も「網膜を中心とした、ギャップ、バラツキ」に過ぎないと言える訳で、強度の場合を除き「……異状」の呼称は少し酷のような気がします。
例えば日本人男子の平均身長は167.8cmだそうですが、そこから外れた人に対し「身長異状」とは言いません。
屈折にしても、身長にしても「標準」から大きく外れた、病気によるケースは、それはそれとしてきちんと対処すべきですが、安易に「異状」と言うようなネーミングは控えるべきだと思います。
それは特に、「色覚異状」のケースで考慮しなければならないでしょう。
■ 近視と遠視の違いは、網膜の前か後か
そしてそのギャップが、網膜の前か後ろかによって、近視か遠視かが決まります。つまり、バラツキという点で近視と遠視は、本来同じ位の頻度で出現してもいいような気がします。
それにしては、実際の近視と遠視の出現割合は、大きなアンバランスが有りますね。それは何故なのか。その辺をおいおいに考えて行きます。
■ 焦点位置を決める要因
■ 焦点位置を決める要因
焦点距離を決める主な要因として、次の2点が挙げられます。
-
屈折力
角膜表面の湾曲度、水晶体の屈折力等が強いか弱いか、などによって焦点位置が違ってきます。
それによる、近視、遠視を「屈折性近視」「屈折性遠視」と言います。
-
眼軸の長さ
眼軸とは、網膜までの奥行きです。
焦点位置が同じでも、眼軸長が違えば当然網膜との相対位置が変わってきます。
眼軸長の違いによる近視、遠視を「軸性近視」「軸性遠視」と言います。
■ 近視・遠視と眼の大きさ
上記の要因の内、割合としては眼軸の長さによるものが大きいそうです。
近視の人の目は大きく、遠視の人は奥目の人が多い、とは良く言われることですが、これはある程度根拠が有ります。
大きな目は、それだけ眼軸も長く、近視になりやすいと考えられます。逆に小さな目は遠視に傾く訳です。
■ 小児遠視
また、幼児の目は大人に比べサイズが小さいので、それだけ遠視の傾向が有り、新生児は大多数遠視であるとされます(小児遠視)。
成長に伴い眼のサイズも、それと共に眼軸も長くなり、遠視が次第にキャンセルされて行きます。
もともと近視の傾向の有る人は、成長に伴い近視の度が進みます。しかし成長が一段落する20歳台前半で、近視の進行も落ち着くのが普通です。
■ 強度近視・病的近視、網膜剥離
成長期をすぎても近視の進行が止まらず、度が進む場合「強度近視」「病的近視」などと言われ、通常の近視とは区別して注意する必要が有ります。
強度近視で特に注意が必要なのは「網膜剥離」です。
強度近視は眼軸の伸張がその原因の殆どです。 成長期が終わっても、何らかの原因で眼の奥行きが伸び続けた場合、近視の度も進み続けますが、同時に網膜も引っ張られて最悪の場合剥離を起こします。
強度近視の人は網膜剥離の危険と隣り合わせです。
■ 屈折力と焦点距離
■ 屈折力の単位
屈折力を現す単位は、ディオプトリー(Dioptrie-独)或いはディオプター(Diopter-英)と呼び、D で表します。
そして光を収束するレンズ(凸レンズ)の度を + で表し、拡散するレンズ(凹レンズ)の度を - で表します。例えば、-3.25D
と言った具合に。
※ この考え方からいえば、近視は屈折が強すぎる眼であり、本来は + に傾いた眼です。遠視はその反対で、-
に傾いた眼です。
しかし、「眼の度数を表すときには、それを矯正(中和)するレンズの度数をもって表す」、と言う約束事が有ります。従って実際は反対に、近視を
- 、遠視を + で表します。
この辺は、最初戸惑うところです。
■ 屈折力と焦点距離は、逆数の関係
屈折力が強いほど、焦点距離は短くなります。 この関係は特に「眼」に限ったことではなく、望遠鏡でもカメラでも、光学機器一般に共通した法則です。屈折力と焦点距離は「逆数の関係」になります。
逆数の関係とは、1を、或る数で割った時、その数と商(割り算の答え)の関係です。つまり、2.50Dのレンズが有ったとき、その焦点距離は40センチメートルです。
(1メートル/2.50D=0.4メートル)この式は、これからの 内容を理解する上で非常に重要です。なるべくここで理解して下さい。
次に「近視」と「遠視」について立ち入って考えて見ますが、その理解の為には、どうしても「調節力」についての理解が必要です。
実は、近視と遠視、或いは老眼との関係で言われる「誤解と非常識」の原因の大半は、この「調節力」に起因しています。 いよいよ核心に迫る「眼についての常識・非常識」
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